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採用コスト

採用単価(採用コスト)の計算方法

公開日 2026年7月25日 カテゴリ 採用企業向け 約15分で読めます

「採用にいくらかかっているのか」を正しく把握できていますか。採用単価(採用コスト)を計算せずに採用を続けると、費用対効果が見えず、ムダな出費に気づけません。この記事では、採用単価の計算方法と、その活かし方を、採用する企業の立場で解説します。数字で採用を捉えることが、コスト最適化の第一歩です。

目次
  1. 採用単価(採用コスト)とは
  2. 採用単価の計算式
  3. 外部コストと内部コスト
  4. 計算の具体例
  5. 採用チャネル別に把握する
  6. 採用単価の平均・目安
  7. 見落としがちなコスト
  8. 採用単価だけで判断してはいけない
  9. 採用単価をどう活かすか
  10. 採用単価を下げる方法
  11. 支払いを平準化する選択肢
  12. よくある質問
  13. まとめ

採用単価(採用コスト)とは

採用単価(採用コスト)とは、1人を採用するのにかかった費用のことです。「1名あたりの採用コスト」「Cost Per Hire(CPH)」とも呼ばれます。採用にかかった総費用を、採用できた人数で割ることで求められます。

採用単価を把握する意味は、採用の費用対効果を可視化できる点にあります。「求人広告は掲載費が安い」「人材紹介は紹介料が高い」といった表面的な印象ではなく、実際に1名を採るのにいくらかかったかを数字で捉えることで、どの手法が自社にとって効率的かが見えてきます。感覚ではなく数字にもとづいて採用を判断するための、基本となる指標が採用単価です。この数字を追わずに採用を続けると、費用が膨らんでいても気づけません。

採用単価の計算式

採用単価の基本的な計算式は、次のとおりです。

採用にかかった総費用

◯◯円

採用できた人数

= 採用単価

たとえば、ある採用活動で総額300万円をかけて3名を採用できたなら、採用単価は100万円です。この1人あたり100万円という数字が、他の手法や過去の実績と比べて高いのか安いのかを判断する基準になります。シンプルな式ですが、「総費用」に何を含めるかで、計算結果が大きく変わります。ここを曖昧にすると、実態より安く見積もってしまい、正しい判断ができません。次の項で、総費用に含めるべきコストを整理します。

外部コストと内部コスト

採用にかかる費用は、大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分けられます。

  • 外部コスト:社外に支払う費用。求人広告の掲載費、人材紹介の紹介料、採用イベントの参加費、採用ツールの利用料など。金額が明確で把握しやすい
  • 内部コスト:社内で発生する費用。採用担当者の人件費、面接官の時間、応募者対応にかかる工数など。見えにくいが、実際には大きな比重を占める

多くの企業が外部コストだけで採用単価を計算しがちですが、内部コストを含めなければ、本当の採用単価は見えません。たとえば、求人広告は掲載費が安くても、応募者対応や選考に大量の社内工数がかかれば、内部コストを含めた採用単価は高くなります。正確な採用単価を出すには、この見えにくい内部コストまで含めて考えることが重要です。

計算の具体例

具体例で、採用単価の計算を見てみましょう。ある企業が、営業職2名を採用したケースです。

  • 求人広告の掲載費:50万円(複数職種で使用)
  • 人材紹介の紹介料(1名分):175万円
  • 採用担当・面接官の工数(人件費換算):50万円
  • 採用できた人数:2名(広告経由1名、紹介経由1名)

この場合、総費用は 50 + 175 + 50 = 275万円。採用できたのは2名なので、採用単価は 275万円 ÷ 2名 = 約137.5万円となります。ここで注目したいのは、内部コスト(採用担当・面接官の工数)の50万円を含めるかどうかで、数字が変わる点です。もし外部コストだけで計算すれば、(50 + 175)÷ 2 = 112.5万円となり、実態より25万円も安く見えてしまいます。この差が、内部コストを見落とすことの落とし穴です。ただし、この全体の平均だけでは「どの手法が効率的か」は分かりません。手法ごとに分けて見ると、より正確な判断ができます。次の項で、チャネル別の把握を説明します。

採用チャネル別に把握する

採用単価は、全体でひとまとめにするより、採用チャネル(手法)別に把握するほうが、改善に役立ちます。手法ごとの効率が見えるからです。

  • 求人広告:掲載費 ÷ その広告で採用できた人数
  • 人材紹介:紹介料 = そのまま採用単価(1名ごとに発生するため)
  • リファラル採用:紹介インセンティブ ÷ 採用人数
  • 自社採用サイト:制作・運用費 ÷ その経由の採用人数

チャネル別に採用単価を出すと、「どの手法が効率的か」「どこに予算を寄せるべきか」が明確になります。たとえば、求人広告の採用単価が人材紹介より安いなら、広告の比率を高める判断ができます。逆に、広告で採れずに単価が跳ね上がっているなら、その職種は人材紹介に切り替えたほうが効率的かもしれません。さらに、同じチャネルでも職種によって効率は変わります。ある職種は求人広告で安く採れても、別の専門職は広告では全く採れず、人材紹介に頼るしかない、ということもあります。だからこそ、チャネル別かつ職種別に採用単価を把握すると、より精度の高い予算配分ができるようになります。手法比較の考え方は 人材紹介と求人広告、費用対効果の比較 でも解説しています。

採用単価の平均・目安

採用単価は、職種・採用手法・採用の難易度によって大きく変わるため、「これが平均」と一概には言えません。ただ、一般的な傾向として、次のような目安があります。

  • 中途採用:数十万円〜200万円程度。人材紹介を使うと理論年収の30〜35%が目安
  • 新卒採用:1名あたり数十万円〜100万円程度。母集団形成やイベントの費用が中心
  • アルバイト・パート:数万円〜数十万円程度

重要なのは、他社の平均と比べることより、自社の採用単価を継続的に把握し、改善していくことです。自社の過去の採用単価と比較して、上がっているのか下がっているのかを見ることで、採用活動の効率の変化を捉えられます。採用市場は年々変化し、人材の獲得競争が激しくなれば、採用単価は上昇する傾向にあります。その変化を数字で把握しておけば、「採用単価が上がってきたから、より効率的な手法に切り替えよう」といった対応を、後手に回らずに打てます。市場環境の変化に振り回されるのではなく、自社の数字を持って主体的に採用を設計することが、コスト管理の要になります。

見落としがちなコスト

採用単価を正確に出すには、見落としがちなコストにも注意が必要です。

  • 早期退職による採り直しコスト:採用した人がすぐ辞めれば、それまでの費用が無駄になり、採り直しの費用が上乗せされる
  • 採用が遅れる機会損失:採用に時間がかかるほど、その席が生むはずだった売上や成果が失われる
  • オンボーディングコスト:入社後に戦力化するまでの教育・育成の費用

とくに、定着率は採用単価に大きく影響します。安く採用できても早期に辞められれば、実質的な採用単価は跳ね上がります。「採って終わり」ではなく、定着まで含めた実質的なコストで採用を評価する視点が大切です。具体的にイメージしてみましょう。100万円かけて採用した人が3年働けば、1年あたりの採用コストは約33万円です。ところが、同じ100万円で採用した人が半年で辞めてしまえば、その100万円はほぼ回収できないまま、また新たに100万円をかけて採り直すことになります。つまり、実質的な採用単価は倍増するのです。このように、採用単価は「採用した瞬間」ではなく「その人が働いた期間」で捉え直すと、定着の重要性がよく分かります。目先の採用単価の安さより、長く活躍してくれる人を採ることのほうが、結果的にコストを抑えるのです。

採用単価だけで判断してはいけない

採用単価は重要な指標ですが、これだけで採用の良し悪しを判断するのは危険です。なぜなら、採用の目的は「安く採ること」ではなく「良い人を採ること」だからです。採用単価を下げることに集中しすぎると、質の低い採用を招き、かえって損をすることがあります。

たとえば、採用単価を下げるために基準を甘くして採用すれば、単価の数字は下がります。しかし、そうして採った人が成果を出せなかったり、早期に辞めたりすれば、その採用は失敗です。安く採れても、成果につながらなければ意味がありません。逆に、採用単価が高くても、その人が長く活躍して大きな成果をもたらせば、その採用は「安い買い物」だったと言えます。

だからこそ、採用単価とあわせて「採用の質(Quality of Hire)」を見る視点が欠かせません。採用した人が、期待どおりに活躍しているか、定着しているか、成果を出しているか——こうした質の指標と、採用単価をセットで捉えることで、本当に効率的な採用ができているかが分かります。採用単価を下げることだけを目的化せず、「良い人を、適正なコストで採る」というバランスを意識することが大切です。数字は判断の材料であって、目的ではないのです。

採用単価をどう活かすか

採用単価を計算する目的は、数字を出すこと自体ではなく、それを採用活動の改善に活かすことです。

  • 予算配分の最適化:効率の良いチャネルに予算を寄せ、効率の悪いチャネルを見直す
  • 採用計画の精度向上:「◯名の採用に、いくら必要か」を精度高く予測し、予算を立てられる
  • 手法の見直し:単価の高い手法を、より効率的な手法に置き換えていく
  • 経営への説明:採用投資の妥当性を、感覚ではなく数字で経営層に説明できる

採用単価を定期的に把握し、その推移を見ながら改善を重ねることが、採用コストの最適化につながります。数字を追うことで、感覚では気づけないムダや、効率化の余地が見えてきます。逆に、採用単価を計算していない企業は、「なんとなく高い気がする」「予算が足りない」といった感覚的な議論に終始しがちです。数字がなければ、どこに問題があるのか、どう改善すればいいのかも分かりません。まずは自社の採用単価を計算してみることが、すべての改善の出発点になります。最初は正確でなくても構いません。ざっくりとでも数字を出し、それを毎回の採用で記録し続けることで、自社の採用の実態が見えてきます。そして、その数字をもとに「次はこの手法を試そう」「このチャネルは減らそう」といった具体的な打ち手を考えられるようになるのです。

採用単価を下げる方法

採用単価を下げるには、次のようなアプローチがあります。

  • 効率の良いチャネルに寄せる:採用単価の低い手法の比率を高める
  • リファラルを活用する:社員紹介は低コストで、定着率も高めなことが多い
  • 定着率を上げる:早期退職を減らせば、採り直しコストが減り、実質単価が下がる
  • 選考プロセスを改善する:ムダな工数を減らし、内部コストを下げる

採用予算が限られているときの手法選びは 採用予算が足りないときに使える採用手法まとめ でも整理しています。なかでも、定着率の向上は採用単価を下げるうえで最も効果が大きいと言えます。1人の早期退職を防ぐことは、1人分の採用単価をまるごと節約するのと同じ効果があるからです。採用の入口の効率化だけでなく、採った人に長く活躍してもらうための取り組みまで含めて、採用単価の改善を考えましょう。

支払いを平準化する選択肢

採用単価そのものを下げるのとは別に、支払いのタイミングを調整して負担を平準化するという方法もあります。とくに人材紹介は、採用単価がそのまま一度に発生するため、複数名を採ると負担が集中します。紹介料を分割払いにできるサービスを使えば、総額(採用単価)は変えずに、単月の負担をならせます。仕組みは 採用の紹介料を分割払いにする方法 で解説しています。

一括払い

175万円

12ヶ月分割

月 14.6万円〜

※紹介料175万円・12ヶ月分割の場合の目安。保証料は別途。

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よくある質問

採用単価はどう計算しますか?

「採用にかかった総費用 ÷ 採用できた人数」で計算します。総費用には、外部コスト(求人広告費・紹介料など)だけでなく、内部コスト(採用担当の人件費・面接の工数など)も含めることで、本当の採用単価が見えます。

内部コストも含めるべきですか?

はい。内部コストを含めないと、実態より安く見積もってしまいます。とくに求人広告は掲載費が安くても、応募者対応や選考の工数が大きいと、内部コストを含めた採用単価は高くなります。正確な判断には内部コストの把握が欠かせません。

採用単価の平均はいくらですか?

職種や手法により大きく変わります。中途採用で数十万〜200万円、人材紹介なら理論年収の30〜35%が目安です。他社の平均と比べるより、自社の採用単価を継続的に把握し、改善することが重要です。

採用単価を下げるにはどうすればいいですか?

効率の良いチャネルに予算を寄せる、リファラルを活用する、定着率を上げて採り直しを減らす、選考プロセスの工数を削る、といった方法があります。まずチャネル別に採用単価を把握することが出発点です。

採用単価は下げられなくても、負担は減らせますか?

分割払いを使えば、採用単価(総額)は変えずに、単月の支払い負担を平準化できます。とくに人材紹介で複数名を採る局面では、資金繰りの負担を大きくやわらげられます。

まとめ

  • 採用単価は採用の総費用 ÷ 採用人数。1名採るのにいくらかかったかの指標
  • 外部コストだけでなく内部コストも含めないと、本当の採用単価は見えない
  • チャネル別に把握し、定着率まで含めて実質コストで評価する
  • 採用単価を下げる工夫と、分割払いで負担を平準化する工夫を組み合わせる
  • 数字だけで判断せず採用の質(活躍・定着)とセットで見る

この記事について

PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、人材紹介の紹介料を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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