
紹介予定派遣の仕組みと費用
紹介予定派遣は、一定期間の派遣を経てから、双方の合意で正社員として直接雇用する仕組みです。実際に働きぶりを見てから採用できるため、ミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。この記事では、紹介予定派遣の仕組み、費用の構造、メリットと注意点、そして通常の派遣・人材紹介との違いまでを、採用担当者向けにわかりやすく解説します。
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間働いてもらったあと、企業と本人の双方が合意すれば、正社員などとして直接雇用に切り替える仕組みです。「派遣」と「人材紹介」を組み合わせたような形で、まず派遣として受け入れ、その後の直接雇用を前提としています。派遣とも、通常の直接採用とも異なる、独特の仕組みだといえます。
最大の特徴は、実際に働いてもらってから、正式に採用するかどうかを判断できる点です。通常の採用では、面接など限られた機会でしか候補者を見極められませんが、紹介予定派遣なら、一定期間の勤務を通じて、実際の働きぶりや職場との相性を確認できます。企業にとっても、働く本人にとっても、お互いをよく知ったうえで雇用に進めるため、ミスマッチが起きにくいのが魅力です。派遣と正社員採用のコスト比較は 派遣と正社員採用のコスト比較 もあわせてご覧ください。
仕組みと流れ
紹介予定派遣の一般的な流れは、次のとおりです。
- 1. 派遣会社に依頼:求める人材の条件を伝える
- 2. 人材の紹介・派遣開始:条件に合う人材が派遣社員として働き始める
- 3. 派遣期間(最長6ヶ月):実際の業務を通じて相互に見極める
- 4. 直接雇用の合意:双方が合意すれば、正社員などとして直接雇用する
派遣期間は、法律上、最長6ヶ月と定められています。この期間中に、企業は本人の働きぶりや適性を見極め、本人も職場が自分に合うかを確認します。そして、派遣期間の終了時に、双方が「このまま働きたい・働いてほしい」と合意すれば、直接雇用に移行します。もし合意に至らなければ、派遣期間の終了とともに契約は終わり、直接雇用にはなりません。この「見極め期間がある」という点が、紹介予定派遣の核心です。
また、紹介予定派遣は、通常の派遣とは異なり、事前に面接や書類選考を行える点も特徴です。通常の派遣では、企業が派遣スタッフを事前に選考することは原則として認められていませんが、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、派遣が始まる前に面接などで人物を確認できます。つまり、事前の選考と、派遣期間中の実地での見極めという、二段階で人材を確認できるのです。書類や面接だけでは分からない部分を、実際の勤務を通じて確かめられるため、採用の精度を高めやすい仕組みだといえます。
費用の構造
紹介予定派遣の費用は、大きく2つの段階に分かれます。
- 派遣期間中:派遣料金を、派遣会社に支払う(働いた期間に応じて)
- 直接雇用時:紹介手数料を、派遣会社に支払う(正式採用が決まったとき)
派遣期間中は、通常の派遣と同じように、働いてもらった時間・日数に応じた派遣料金を支払います。そして、派遣期間を経て直接雇用に移行する際に、人材紹介と同様の紹介手数料が発生します。この紹介手数料は、採用者の想定年収に対する割合で計算されるのが一般的です。つまり、派遣料金と紹介手数料の両方がかかる構造です。ただし、直接雇用に至らなかった場合は、紹介手数料は発生しません。実際に採用したときにだけ手数料がかかる、という点が重要です。採用単価の考え方は 採用単価(採用コスト)の計算方法と目安 をご覧ください。
なお、直接雇用時の紹介手数料の水準は、通常の人材紹介と同程度か、それに準じた形で設定されることが一般的です。派遣会社によって条件は異なるため、契約前に、派遣料金と紹介手数料の両方について、具体的な金額や算定方法を確認しておくことが大切です。トータルでどれくらいの費用がかかるのかを把握したうえで、通常の人材紹介や直接の採用と比べて、紹介予定派遣が自社にとって妥当かを判断しましょう。
通常の派遣・人材紹介との違い
紹介予定派遣は、通常の派遣とも、人材紹介とも異なります。それぞれの違いを整理してみましょう。
| 項目 | 紹介予定派遣 | 通常の派遣 | 人材紹介 |
|---|---|---|---|
| 直接雇用 | 前提 | しない | する |
| 見極め期間 | あり(最長6ヶ月) | — | なし |
| 費用 | 派遣料金+紹介手数料 | 派遣料金のみ | 紹介手数料のみ |
通常の派遣は、直接雇用を前提とせず、派遣料金だけがかかります。人材紹介は、最初から直接雇用が前提で、紹介手数料がかかりますが、実際に働いてもらう前に採用を決める必要があります。紹介予定派遣は、その中間に位置し、「見極め期間を設けたうえで直接雇用する」という特徴を持ちます。実際の働きぶりを見てから採用できる点が、人材紹介にはない強みです。
メリット
紹介予定派遣には、次のようなメリットがあります。
- ミスマッチを防げる:実際の働きぶりを見てから採用を判断できる
- 早期離職を減らせる:相互理解が深まってから雇用するため、定着しやすい
- 採用の失敗リスクを抑えられる:合わなければ直接雇用しない選択ができる
- 本人も納得して入社できる:職場を知ったうえで判断できる
とくに大きいのが、ミスマッチを防げる点です。通常の採用では、面接だけでは分からなかった適性や相性が、入社後に問題になることがあります。紹介予定派遣なら、実際に一緒に働いてみて、スキルや人柄、職場との相性を確認したうえで、採用を判断できます。これにより、採用のミスマッチや早期離職を大きく減らせます。採用は、失敗すると採用費や教育コストが無駄になるため、この「見極めてから採用できる」という点は、実質的なコスト削減にもつながります。採用ミスマッチの防止は 採用のミスマッチを防ぐ方法 もご覧ください。
このメリットは、働く本人にとっても同じです。本人も、実際に働いてみることで、その職場が自分に合うか、仕事内容が想像どおりかを確認できます。入社してから「思っていたのと違った」というギャップは、早期離職の大きな原因です。紹介予定派遣なら、本人が納得したうえで直接雇用に進むため、入社後のミスマッチが起きにくくなります。企業と本人の双方が、お互いをよく知ったうえで雇用関係を結べる——この双方向の見極めが、結果として定着率の高い、質の良い採用につながります。採用する側だけでなく、される側にとっても安心できる仕組みだという点が、紹介予定派遣の特徴です。
注意点・デメリット
メリットの多い紹介予定派遣ですが、注意点もあります。まず、費用の面では、派遣料金と紹介手数料の両方がかかるため、直接雇用に至った場合のトータルコストは、単純な人材紹介より高くなることがあります。見極め期間を設ける分のコスト、と捉える必要があります。
また、必ず直接雇用に至るとは限りません。企業が採用したいと思っても、本人が「合わない」と感じれば、直接雇用は成立しません。逆も同様です。見極め期間があるということは、双方に「断る」選択肢があるということでもあります。さらに、派遣期間は最長6ヶ月と決まっているため、その期間内に見極めと判断を行う必要があります。良い人材だからといって、通常の派遣のように長く働いてもらい続けることはできません。こうした制度上の制約を理解したうえで活用することが大切です。
もう一点、直接雇用しないと判断した場合の対応にも配慮が必要です。派遣期間を経て「今回は直接雇用を見送る」となったとき、その理由の伝え方や、本人への配慮を欠くと、トラブルにつながることがあります。見極めた結果として雇用しない選択は正当なものですが、相手も一定期間、真剣に働いてくれた人です。誠実に対応することが、企業としての信頼にもつながります。また、直接雇用を前提とする以上、安易に見送りを繰り返すのは、派遣会社との関係にも影響します。見極めは真剣に、しかし判断は誠実に——この姿勢で臨むことが、紹介予定派遣を長く活用するうえで大切です。
向いているケース
紹介予定派遣が向いているのは、次のようなケースです。
- ミスマッチを絶対に避けたい:採用の失敗リスクを抑えたい場合
- 面接だけでは判断しにくい職種:実務の適性を見てから決めたい場合
- 早期離職に悩んでいる:定着率を高めたい場合
- 本人にも納得して入ってほしい:入社後のギャップを防ぎたい場合
逆に、急いで確実に人数を確保したい場合や、すでに採用したい人が明確な場合には、通常の人材紹介のほうが向いていることもあります。紹介予定派遣は、時間をかけてでも、ミスマッチのない確実な採用をしたい、という場面で力を発揮します。自社の採用の課題が「ミスマッチ・早期離職」にあるなら、有力な選択肢になります。
とくに、事務職や販売職など、実際の業務での適性や、職場の雰囲気との相性が重要な職種で、紹介予定派遣はよく活用されています。こうした職種は、スキルの高さだけでなく、周囲とうまく協働できるか、日々の業務を着実にこなせるかといった、面接では見えにくい部分が成果を左右します。実際に働いてもらってから判断できる紹介予定派遣は、こうした「一緒に働いてみないと分からない」要素が大きい職種と、とくに相性が良いといえます。自社の採用したいポジションが、そうした性質を持つなら、検討する価値があります。
活用のポイント
紹介予定派遣を活用する際のポイントは、派遣期間を「見極めの機会」として、しっかり活かすことです。ただ働いてもらうだけでなく、実際の業務を通じて、スキル・適性・人柄・職場との相性を、意識して観察することが大切です。同時に、本人にも自社の魅力や仕事の実態を伝え、「ここで働きたい」と思ってもらえるよう努めることも重要です。
見極め期間は、企業が本人を評価するだけの時間ではありません。本人も、この会社で働き続けるかを判断しています。双方向の見極めの期間だと捉え、良い人材には自社の魅力を伝えて直接雇用につなげる、という姿勢が大切です。せっかく良い人材と出会えても、期間中のフォローが不十分で、本人に「この会社は違う」と思われては、直接雇用に至りません。派遣期間中の受け入れとコミュニケーションが、紹介予定派遣を成功させる鍵になります。
具体的には、派遣期間中も、通常の社員と同じように丁寧に受け入れ、仕事を教え、気にかけることが大切です。「まだ正式な社員ではないから」と距離を置くような対応をすると、本人は自分が歓迎されていないと感じ、直接雇用への意欲を失います。逆に、チームの一員として大切に扱えば、本人も「この職場で働きたい」と思うようになります。見極める立場だからこそ、相手に選ばれる努力も必要です。派遣期間を、お互いにとって良い出会いの機会にできるかどうかが、紹介予定派遣の成果を大きく左右します。
採用時の費用を平準化する
紹介予定派遣では、直接雇用に移行するタイミングで、紹介手数料がまとまって発生します。派遣期間中の派遣料金に加えて、採用が決まった時点で紹介手数料が加わるため、その月の支払いが大きくなることがあります。とくに、複数名を同時に直接雇用に切り替える場合は、負担が集中します。
こうした紹介手数料を、月々の分割払いにして平準化できれば、資金繰りの負担を抑えながら、直接雇用に踏み切れます。せっかく見極めた良い人材を、費用のタイミングの問題で採用しづらくなるのは、もったいないことです。分割払いを活用すれば、手元資金を厚く保ちながら、ミスマッチのない採用を確実に成立させられます。詳しくは 採用の紹介料・費用を分割払いにする方法 をご覧ください。
採用企業
月 10万円〜
紹介手数料
120万円
※紹介手数料120万円・12ヶ月分割の場合の目安。
直接雇用時の手数料を、月々の負担にならすなら
PD for HR は、採用の紹介手数料などの費用を、最大12ヶ月の分割払いにできるサービスです。見極めた人材の直接雇用を、資金負担を抑えて確実に進められます。
PD for HR に相談するよくある質問
紹介予定派遣とは何ですか?
派遣社員として一定期間(最長6ヶ月)働いてもらったあと、企業と本人の双方が合意すれば、正社員などとして直接雇用に切り替える仕組みです。実際の働きぶりを見てから採用できるため、ミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。
費用はどうなっていますか?
派遣期間中は派遣料金を、直接雇用に移行する際は紹介手数料を支払います。派遣料金と紹介手数料の両方がかかる構造です。ただし、直接雇用に至らなかった場合は、紹介手数料は発生しません。
通常の派遣や人材紹介と何が違いますか?
通常の派遣は直接雇用を前提とせず派遣料金のみ、人材紹介は最初から直接雇用が前提で紹介手数料のみです。紹介予定派遣はその中間で、見極め期間を経てから直接雇用する点が特徴です。
必ず正社員になれますか?
いいえ。派遣期間の終了時に、企業と本人の双方が合意した場合にのみ直接雇用に移行します。どちらかが合わないと感じれば、直接雇用は成立しません。双方に「断る」選択肢がある仕組みです。
直接雇用時の手数料の負担が大きいです。
派遣料金に加えて紹介手数料が加わるため、採用月の負担が大きくなりがちです。分割払いにすれば月々の負担に平準化でき、見極めた人材の直接雇用を、資金負担を抑えて成立させられます。
まとめ
- 紹介予定派遣は派遣を経てから直接雇用する仕組み。見極め期間(最長6ヶ月)がある
- 費用は派遣料金+直接雇用時の紹介手数料。採用に至らなければ手数料は不要
- ミスマッチ・早期離職を防げるのが最大のメリット
- 直接雇用時の手数料は分割払いで平準化すると資金繰りが安定する
この記事について
PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、採用の紹介料・費用を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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※本記事の金額は一般的な目安であり、実際の条件は個別のサービス・契約により異なります。掲載時点の情報にもとづいており、最新の内容は各サービスの公式情報をご確認ください。