
マーケティング人材の採用相場と難易度
デジタルマーケティングの重要性が高まるなか、マーケティング人材の採用競争は激化しています。人材紹介を使うと、紹介料は理論年収の30〜35%。年収600万円なら約210万円が発生します。この記事では、マーケティング人材の採用相場と、採用が難しい理由、費用を抑える方法までを、採用する企業の立場で解説します。
目次
マーケティング人材の需要の高まり
あらゆる企業がデジタル化を進めるなか、Web広告・SNS・SEO・データ分析といったデジタルマーケティングのスキルを持つ人材の需要は、急速に高まっています。かつてはマーケティングは一部の大企業のものでしたが、いまや中小企業やスタートアップも、事業成長のためにマーケティング人材を求めています。
一方で、実務経験を持つ優秀なマーケターの数は限られています。需要が供給を大きく上回る状態が続いており、その結果、マーケティング人材は採用難易度が高く、費用もかさみやすい職種になっています。とくに、デジタル領域での実績を持つ即戦力は、多くの企業が奪い合う「売り手市場」です。この需給の構造を理解することが、採用戦略と費用を考える出発点になります。
採用相場(人材紹介の紹介料)
マーケティング人材を人材紹介で採用する場合、紹介料は「理論年収 × 料率」で計算されます。料率の相場は30〜35%で、専門性が高く採用が難しいポジションでは、35%以上になることもあります。マーケティング人材は年収水準も比較的高いため、紹介料の絶対額も大きくなりがちです。
理論年収
600万円
紹介料
210万円
相場の全体像は 中途採用の紹介手数料の相場 もあわせてご覧ください。なお、マーケティング人材は成果が事業の売上に直結するため、紹介料が高くても、その人が事業を伸ばせば十分に回収できるという側面があります。費用の絶対額だけで判断せず、その人材がもたらす価値と照らして考えることが大切です。
年収別・紹介料の早見表
マーケティング人材の年収帯に沿って、料率30%・35%で計算した紹介料の目安をまとめました。実際の料率は契約により異なります。
| 理論年収 | 料率30% | 料率35% |
|---|---|---|
| 500万円 | 150万円 | 175万円 |
| 600万円 | 180万円 | 210万円 |
| 700万円 | 210万円 | 245万円 |
| 900万円 | 270万円 | 315万円 |
| 1,200万円 | 360万円 | 420万円 |
※理論年収 × 料率で算出した概算。実際の金額は契約内容により変わります。
採用が難しい理由
マーケティング人材の採用が難しいのには、いくつかの理由があります。
- 需要が供給を大きく上回る:デジタル化の広がりで需要が急増する一方、経験者は限られる
- スキルの範囲が広い:広告運用・SEO・SNS・データ分析・ブランディングなど、領域が多岐にわたる
- 変化が速い:マーケティングの手法やツールは移り変わりが激しく、常に学び続ける人材が求められる
- 成果の見極めが難しい:「マーケティングができる」と称する人は多いが、実際に成果を出せる人は限られる
とくに、実際に事業を伸ばした実績を持つ人材は希少です。多くの企業が求めるのはこの層のため、採用競争が激しく、費用も高くなります。採用難易度の高さを踏まえ、手法と費用を計画的に考えることが大切です。加えて、マーケティング人材は転職市場でも引く手あまたのため、採用のスピードも重要になります。良い候補者に出会えても、選考が遅ければ他社に決まってしまいます。難易度が高い職種だからこそ、要件の明確化、迅速な選考、魅力的なオファーという基本を徹底することが、採用成功のカギを握ります。
職種・領域による違い
マーケティングと一口に言っても、領域によって採用難易度と相場は異なります。
- Web広告運用:リスティングやSNS広告の運用者。需要が大きく、経験者は争奪戦
- SEO・コンテンツ:検索対策やコンテンツ制作。専門性が高い
- データ分析・マーケティングオート:データを扱う専門職。希少性が高く年収も高め
- ブランディング・PR:ブランド戦略や広報。経験と実績が問われる
- CMO・マーケティング責任者:戦略を統括する管理職。希少で、サーチ型になることもある
専門性が高く、母集団が限られる領域ほど、採用は難しく費用も上がります。自社が求める領域の難易度を把握しておくと、費用の見通しが立てやすくなります。また、「マーケティング全般ができる万能な人材」を求めると、そもそも該当者がほとんどいません。自社が今、最も必要としているのは広告運用なのか、SEOなのか、データ分析なのかを絞り込むことで、採用のターゲットが明確になり、出会える確率も上がります。1人にすべてを求めるのではなく、必要な領域から優先順位をつけて採用していく発想が、現実的な採用につながります。
見極めの難しさ
マーケティング採用でとくに難しいのが、候補者の実力の見極めです。「マーケティングができる」と語る人は多いものの、実際に成果を出せるかは別問題です。見極めの際は、次の点を意識するとよいでしょう。
- 具体的な実績を確認する:「何を、どう改善し、どんな成果が出たか」を数字で語れるか
- 再現性を見る:その成果が本人の力によるものか、環境や予算に恵まれた結果かを見極める
- 自社の課題に合うか:マーケティングの領域は広い。自社が必要とするスキルと合致しているか
- 学び続ける姿勢:変化の速い領域だけに、最新の動向をキャッチアップする意欲があるか
見極めを誤ると、高い紹介料をかけて採用しても成果が出ず、投資が無駄になります。実績の中身を具体的に掘り下げることが、ミスマッチを防ぐ鍵です。可能であれば、選考の過程で自社の課題に対する考えを聞いたり、簡単な課題に取り組んでもらったりすると、実際の思考力や実力が見えてきます。肩書きや華やかな経歴だけでなく、「自社の状況で成果を出せそうか」という観点で見極めることが大切です。マーケティングは、企業のフェーズや商材によって求められるスキルが大きく異なるため、前職での成功が自社で再現できるとは限らない点にも注意が必要です。
内製化と外部活用の使い分け
マーケティング人材の採用を考える前に、そもそも「自社で人を採るべきか、外部の力を借りるべきか」という選択肢も検討する価値があります。マーケティングは、社内に人材を置く内製と、代理店やフリーランスに委託する外部活用のどちらでも進められるからです。
内製のメリットは、自社の事業を深く理解した人材が、腰を据えて取り組めることです。ノウハウが社内に蓄積し、長期的な資産になります。一方、優秀な人材の採用が難しく、費用も高いという難点があります。外部活用は、専門知識をすぐに使える反面、自社理解が浅くなりがちで、ノウハウも社内に残りにくくなります。
実務では、両者を組み合わせるのが現実的です。戦略や意思決定は社内の人材が担い、実行の一部は外部に委託するという分担です。まずは外部の力を借りて成果を出しながら、並行して社内人材を採用・育成し、徐々に内製比率を高めていく——という進め方もあります。自社のフェーズやリソースに応じて、内製と外部活用のバランスを設計するとよいでしょう。
採用後に活躍・定着させる
高い紹介料をかけてマーケティング人材を採用しても、その人が力を発揮できなければ、投資は回収できません。マーケターが活躍・定着するには、採用後の環境づくりも重要です。
- 裁量と予算を与える:マーケティングは試行錯誤が前提。ある程度の裁量と予算がないと成果を出せない
- 成果を正しく評価する:短期の数字だけでなく、中長期の取り組みも評価する仕組みを持つ
- 経営との連携:マーケティングは経営と密接に関わる。経営層との距離が近いほど成果を出しやすい
- 学びの環境:変化の速い領域だけに、学び続けられる環境が定着につながる
- 失敗を許容する文化:試行錯誤を前提とし、短期の失敗を責めない文化が挑戦を促す
優秀なマーケターほど、成果を出せる環境を求めて動きます。採用して終わりではなく、その人が力を発揮できる環境を用意することが、採用投資を回収する条件です。せっかく採用した人材が、環境の悪さで早期に去ってしまえば、また高い費用をかけて採り直すことになります。採用の成否は、実は採用した後の受け入れ体制で大きく決まるのです。高い紹介料を払って採る以上、その投資を活かせる環境づくりまでをセットで考えましょう。
採用手法の選び方
マーケティング人材の採用には、複数の手法があります。難易度に応じて使い分けます。
- 人材紹介:確実性が高く、専門性の高い層に向く。ただし単価は高い
- ダイレクトリクルーティング:データベースから直接スカウト。マーケター層に届きやすい
- リファラル採用:マーケター同士のつながりを活かす。質の高い人材に出会えることも
- 求人広告:母集団を広げられるが、応募の質にばらつきが出やすい
希少な即戦力を狙うなら人材紹介やダイレクトが有力です。手法の使い分けについては 人材紹介と求人広告、費用対効果の比較 も参照してください。とくにマーケティング人材は、自ら情報発信をしていたり、業界のコミュニティに属していたりすることも多く、リファラルやダイレクトリクルーティングと相性が良い職種です。SNSやイベントでの接点から採用につながることもあります。一方で、こうした能動的なアプローチには自社の魅力を伝える発信力も必要になるため、人材紹介の確実性と組み合わせて、複数の入口から候補者と出会えるようにしておくと、採用の成功率が高まります。
費用を抑える方法
マーケティング人材の採用費用を抑えるには、次のような工夫が有効です。
- 要件を明確にする:必要なスキルを絞り込み、ミスマッチと選考工数を減らす
- 手法を使い分ける:リファラルやダイレクトで採れる分を先に埋め、難しい層に人材紹介を集中させる
- 育成も視野に入れる:即戦力にこだわらず、ポテンシャル層を採って育てる選択肢も検討する。競争の少ない層で採用しやすくなる
- 支払いを平準化する:高額な紹介料は、分割払いで単月の負担をならす
支払いを平準化する選択肢
マーケティング人材の紹介料は高額になりやすく、まとまった採用予算が必要になります。総額を下げるのは難しくても、支払いを分割して単月の負担を平準化することはできます。紹介料を分割払いにできるサービスを使えば、まとまった予算がそろう前でも、必要なマーケティング人材の採用に踏み切れます。仕組みは 採用の紹介料を分割払いにする方法 で解説しています。
一括払い
210万円
12ヶ月分割
月 17.5万円〜
※紹介料210万円・12ヶ月分割の場合の目安。保証料は別途。
マーケティング人材の紹介料を、月々に均したいなら
PD for HR は、採用時の紹介料を最大12ヶ月の分割払いにできるサービスです。担保・保証人は不要。競争の激しいマーケティング採用でも、資金繰りに無理なく進められます。
PD for HR に相談する紹介料の会計処理
マーケティング人材の紹介料も、会計上は「支払手数料」で処理するのが一般的です(採用関連費をまとめる場合は「採用費」とすることもあります)。採用のために支払う費用は、一般に発生時の損金として算入できると考えられます。消費税は課税仕入にあたるのが通常で、インボイスを保管します。処理は自社の会計方針や税理士の判断によります。
会計・税務の最終判断は、必ず税理士など専門家にご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したもので、個別の状況により適切な処理は異なります。
よくある質問
マーケティング人材の紹介料の相場は何%ですか?
理論年収の30〜35%が相場です。専門性が高く採用が難しいポジションでは35%以上になることもあります。マーケティング人材は年収水準も比較的高いため、紹介料の絶対額も大きくなりがちです。
なぜマーケティング人材の採用は難しいのですか?
デジタル化で需要が急増する一方、実務経験を持つ優秀な人材は限られるためです。スキルの範囲が広く、変化も速く、成果を出せる人の見極めが難しいことも、採用を難しくしています。
マーケターの実力はどう見極めればいいですか?
「何を、どう改善し、どんな成果が出たか」を数字で具体的に語れるかを確認します。その成果が本人の力によるものか、環境や予算に恵まれた結果かという再現性の見極めも重要です。
即戦力が採れない場合はどうすればいいですか?
ポテンシャル層を採用して育てる選択肢も検討しましょう。即戦力は競争が激しく費用も高いため、育成前提の採用と組み合わせることで、採用の幅を広げられます。
紹介料の負担が大きくて踏み切れません。
紹介料を分割払いにできるサービスを使えば、総額は変えずに単月の負担を平準化できます。まとまった予算がそろう前でも、必要なマーケティング人材の採用に踏み切れます。
採用と外部委託、どちらがいいですか?
一長一短です。内製はノウハウが社内に蓄積する反面、採用が難しく費用も高め。外部委託はすぐに専門知識を使える反面、自社理解が浅くなりがちです。戦略は社内、実行の一部は外部、という組み合わせが現実的なことが多いです。
まとめ
- マーケティング人材の紹介料は理論年収の30〜35%。需要増で採用競争は激化している
- 採用が難しいのは需要過多・スキルの広さ・変化の速さ・見極めの難しさのため
- 実績の中身を具体的に掘り下げ、再現性を見極めることがミスマッチを防ぐ
- 高額な紹介料は手法の使い分けと分割払いで負担を抑えられる
- 採用後に力を発揮できる環境を整えることが、採用投資を回収する条件
この記事について
PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、人材紹介の紹介料を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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