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採用コスト

人材紹介とダイレクトリクルーティングの比較

公開日 2026年7月25日 カテゴリ 採用企業向け 約15分で読めます

中途採用で、確実性の高い「人材紹介」と、企業が主体的に候補者を探す「ダイレクトリクルーティング」。この2つは、費用の発生の仕方も、必要な社内リソースも大きく異なります。この記事では、人材紹介とダイレクトリクルーティングの違いを整理し、コストの比較と使い分けの考え方を、採用する企業の立場で解説します。

目次
  1. 2つの手法の基本的な違い
  2. ダイレクトリクルーティングとは
  3. 費用構造の違い
  4. 項目別・比較早見表
  5. 社内リソースの違い
  6. ダイレクトのメリット・デメリット
  7. 人材紹介のメリット・デメリット
  8. ケース別・どちらが向いているか
  9. 併用という選択肢
  10. ダイレクトを成功させるコツ
  11. なぜダイレクトが広がっているのか
  12. 人材紹介の費用を平準化する
  13. よくある質問
  14. まとめ

2つの手法の基本的な違い

まず、それぞれがどういう手法かを整理します。どちらも中途採用で使われますが、企業の関わり方が根本的に異なります。

  • 人材紹介:紹介会社が候補者を探し、マッチングして紹介してくれる。企業は「探してもらう」立場で、採用が決まったら紹介料を払う成功報酬型
  • ダイレクトリクルーティング:企業が自らデータベースなどから候補者を探し、直接スカウトを送る。企業が「自ら動く」手法

ひとことで言えば、人材紹介は「待ちの採用(探してもらう)」、ダイレクトリクルーティングは「攻めの採用(自ら探す)」です。この違いが、費用にも、必要な社内リソースにも影響します。近年は、良い人材を待っているだけでは採れないという背景から、ダイレクトリクルーティングを取り入れる企業が増えています。

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングは、企業が主体的に候補者へアプローチする採用手法です。転職サイトの人材データベースや、ビジネスSNS、スカウト媒体などを使い、自社が求める人材を探し出して、直接スカウトメッセージを送ります。

最大の特徴は、転職潜在層にもアプローチできる点です。人材紹介や求人広告では、基本的に「転職を検討している人」しか対象になりません。しかしダイレクトリクルーティングなら、今すぐ転職を考えていない優秀な人にも、こちらから声をかけられます。優秀な人材ほど公開市場に出てこないため、この「潜在層に届く」という点は大きな強みです。一方で、候補者を探し、一人ひとりにスカウトを送り、返信に対応する——という作業を自社で行う必要があり、相応の工数がかかります。

費用構造の違い

費用の発生の仕方は、両者で大きく異なります。ここがコスト比較の出発点です。

  • 人材紹介:採用が決まったときに紹介料を払う。相場は理論年収の30〜35%。1名で200万円前後になることも。決まらなければ費用は発生しない
  • ダイレクトリクルーティング:スカウト媒体の利用料(月額や成功報酬)が中心。人材紹介より1名あたりの費用を抑えやすいが、運用の工数(人件費)がかかる

ダイレクトリクルーティングは、媒体の費用だけを見れば人材紹介より安く済むことが多いものです。ただし、運用にかかる社内の工数(時間・人件費)を含めて考える必要があります。この「見えないコスト」を無視すると、実際の費用対効果を見誤ります。

項目別・比較早見表

主な項目で両者を並べました。実際の条件はサービスや職種により異なります。

項目人材紹介ダイレクトリクルーティング
企業の動き方待ち(探してもらう)攻め(自ら探す)
費用の発生成功報酬(決定時)媒体利用料+工数
1名あたり費用高め(年収の30〜35%)抑えやすい
社内工数少ない大きい
アプローチ対象転職検討層転職潜在層にも届く
ノウハウ蓄積残りにくい社内に蓄積する

社内リソースの違い

両者を分ける最大のポイントが、必要な社内リソースです。人材紹介は、紹介会社が探索から絞り込みまでを担うため、企業側の工数は比較的少なく済みます。推薦された候補者を選考すればよいからです。

一方、ダイレクトリクルーティングは、候補者の検索、スカウト文の作成と送信、返信対応、日程調整——これらをすべて自社で行います。とくにスカウトは、数を送っても返信率が高いわけではなく、一人ひとりに合わせた文面を工夫する必要があります。片手間ではうまくいかず、専任者や相応の時間を割ける体制が前提になります。この工数を確保できるかどうかが、ダイレクトリクルーティングを選べるかの分かれ目です。「費用が安いから」という理由だけで始めると、工数の負担に耐えきれず、中途半端な運用で成果が出ないまま終わってしまうこともあります。手法の費用と、それを回すためのリソースは、必ずセットで検討しましょう。

ダイレクトのメリット・デメリット

メリット

  • 1名あたりの費用を抑えやすい
  • 転職潜在層にもアプローチできる
  • 自社の魅力を直接伝えられる
  • 採用ノウハウが社内に蓄積する

デメリット

  • 運用の工数が大きい
  • 専任者や体制が必要
  • すぐには成果が出にくい
  • スカウトのスキルが問われる

ダイレクトリクルーティングは、費用を抑えつつノウハウを蓄積できる魅力がある一方、相応の工数と、運用のスキルが必要です。短期で成果を求めるより、腰を据えて取り組む前提の手法だと言えます。導入初期は返信率が低く、成果が出ずに心が折れそうになることもあります。しかし、送る相手の選び方や文面を改善しながら続けることで、徐々に成果が上向いていきます。この「立ち上がりの期間」を見込んで、余裕をもって始めることが、ダイレクトリクルーティングを軌道に乗せるコツです。

人材紹介のメリット・デメリット

メリット

  • 社内工数が少なく済む
  • 確実性が高い(プロが探す)
  • 決まらなければ費用が発生しない
  • すぐに候補者に出会える

デメリット

  • 1名あたりの費用が高い
  • 採用ノウハウが社内に残りにくい
  • 紹介会社の人材次第の面がある
  • 複数名採用でコストがかさむ

人材紹介は、工数をかけずに確実に採れる反面、費用が高めです。ただし、この「工数をかけずに」という点は、見落とされがちな大きな価値です。採用担当が少ない企業や、他の業務で手一杯の場合、ダイレクトリクルーティングの運用に割く時間そのものがありません。そうした状況では、多少費用が高くても、探索から絞り込みまでを任せられる人材紹介のほうが、結果的に効率的なこともあります。費用だけでなく、自社が採用にどれだけの時間を割けるかを踏まえて選ぶことが大切です。人材紹介の費用の詳細は 人材紹介の紹介料が高い理由と負担を抑える方法 で解説しています。

ケース別・どちらが向いているか

費用構造とリソースを踏まえると、状況に応じた向き不向きが見えてきます。

  • 採用に工数を割ける体制がある:費用を抑えられるダイレクトが向く
  • 専任者を置けない・急ぎ:工数の少ない人材紹介が向く
  • 採用ノウハウを社内に蓄積したい:ダイレクトで経験を積む
  • 転職潜在層の優秀な人を狙いたい:ダイレクトでアプローチする
  • 確実に・すぐに採りたい:プロに任せる人材紹介が安心

併用という選択肢

どちらか一方に絞る必要はありません。多くの企業が、両者を併用しています。たとえば、母集団を広げやすい職種や、じっくり探せるポジションはダイレクトで進め、急ぎのポジションや採りにくい専門職は人材紹介に頼る、という使い分けです。

また、ダイレクトリクルーティングの運用工数が負担な場合は、その実務を採用代行(RPO)に任せる、という組み合わせもあります。RPOについては RPO(採用代行)とは|費用と使いどころ で解説しています。自社の体制と採用ニーズに応じて、手法を組み合わせるのが現実的です。実際、採用がうまくいっている企業ほど、1つの手法に固執せず、複数のチャネルを併用しています。人材紹介・ダイレクト・求人広告・リファラルを、ポジションや状況に応じて使い分けることで、それぞれの弱点を補い合い、安定した採用力を実現しているのです。どの手法が優れているかではなく、自社にとって最適な組み合わせは何か、という視点で考えることが、採用戦略の要になります。

ダイレクトを成功させるコツ

ダイレクトリクルーティングで成果を出すには、いくつかのコツがあります。

  • ターゲットを明確にする:誰に送るかを絞り込み、合う人にだけアプローチする
  • スカウト文を作り込む:テンプレートの一斉送信ではなく、相手に合わせた文面で送る
  • 自社の魅力を言語化する:「なぜこの会社で働くべきか」を明確に伝える
  • スピーディに対応する:返信が来たら素早く動き、候補者を待たせないことが辞退防止につながる
  • 継続する:すぐに成果が出なくても、運用を改善しながら粘り強く続ける
  • 数を追いすぎない:大量送信より、合う相手に丁寧に送るほうが結果的に効率的

ダイレクトリクルーティングは、送れば採れるものではありません。相手目線のアプローチと、地道な改善が成果を分けます。とくにスカウト文は、候補者の経歴やスキルを踏まえ、「なぜあなたに声をかけたのか」が伝わる内容にすることが重要です。誰にでも送れる汎用的な文面は、候補者にすぐ見抜かれ、返信されません。手間はかかりますが、一人ひとりに向き合った文面こそが、返信率を高めます。

また、返信をもらったあとの対応スピードも成果を左右します。優秀な人材ほど複数の企業から声がかかっているため、対応が遅れれば他社に流れてしまいます。カジュアル面談の日程をすぐに調整し、候補者の関心が高いうちに接点を持つことが大切です。ダイレクトリクルーティングは、最初のスカウトから内定まで、一貫してスピードと丁寧さが問われる手法だと言えます。地道な運用の積み重ねが、やがて自社なりの「勝ちパターン」となり、採用力そのものを高めていきます。この蓄積こそが、外部に頼りきらない採用力を社内に育てる、ダイレクトリクルーティングの本質的な価値です。

なぜダイレクトが広がっているのか

近年、ダイレクトリクルーティングを導入する企業が急速に増えています。その背景には、採用市場の構造的な変化があります。少子高齢化で労働人口が減り続けるなか、優秀な人材の獲得競争は年々激しくなっています。求人を出して応募を待つ「待ちの採用」だけでは、良い人材に出会えなくなってきたのです。

とくに、本当に優秀な人材ほど、転職市場に積極的に出てくることは少なくなっています。現職で評価され、活躍しているため、自ら転職活動をする必要がないからです。こうした層に出会うには、企業側から「あなたに来てほしい」と声をかけるしかありません。ダイレクトリクルーティングが広がっているのは、この「攻めなければ採れない」という採用の現実に、多くの企業が直面しているからです。

また、スカウト媒体やビジネスSNSの普及で、企業が候補者に直接アプローチしやすくなったことも、追い風になっています。かつては個人にリーチする手段が限られていましたが、今では多くのプラットフォームが、企業と候補者を直接つなぐ機能を提供しています。こうした環境の整備が、ダイレクトリクルーティングを現実的な選択肢にしているのです。とはいえ、手段が整っても、成果を出すには運用のスキルと工数が必要である点は変わりません。ツールを導入しただけで採用がうまくいくわけではないことは、押さえておくべきポイントです。

人材紹介の費用を平準化する

人材紹介を選ぶ場合、採用時にまとまった紹介料が一度に発生します。総額を下げるのは難しくても、支払いを分割して単月の負担を平準化することはできます。紹介料を分割払いにできるサービスを使えば、まとまった採用予算がそろう前でも採用に踏み切れます。仕組みは 採用の紹介料を分割払いにする方法 で解説しています。

一括払い

175万円

12ヶ月分割

月 14.6万円〜

※紹介料175万円・12ヶ月分割の場合の目安。保証料は別途。

人材紹介の費用を、月々に均したいなら

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よくある質問

人材紹介とダイレクトリクルーティング、どちらが安いですか?

媒体費だけならダイレクトが安いことが多いですが、運用の工数(人件費)を含めると一概には言えません。工数を割ける体制があればダイレクトが有利、専任者を置けないなら工数の少ない人材紹介が現実的です。

ダイレクトリクルーティングは難しいですか?

送れば採れるものではなく、ターゲットの絞り込み、スカウト文の工夫、迅速な対応、継続的な改善が必要です。専任者や相応の時間を割ける体制がないと、成果が出にくい手法です。

転職潜在層にアプローチできるのはどちらですか?

ダイレクトリクルーティングです。人材紹介や求人広告は基本的に転職検討層が対象ですが、ダイレクトなら今すぐ転職を考えていない優秀な人にも、こちらから声をかけられます。

両方を併用できますか?

できます。じっくり探せるポジションはダイレクト、急ぎや採りにくい専門職は人材紹介、と使い分けるのが現実的です。ダイレクトの運用工数が負担なら、その実務を採用代行(RPO)に任せる組み合わせもあります。

人材紹介の費用負担が大きいです。

紹介料を分割払いにできるサービスを使えば、総額は変えずに単月の負担を平準化できます。ダイレクトと併用しながら、人材紹介の費用を無理なく支払えます。

まとめ

  • 人材紹介は待ちの採用(工数少・費用高・確実)、ダイレクトは攻めの採用(工数大・費用抑えやすい・潜在層に届く)
  • ダイレクトは媒体費が安くても運用工数(人件費)を含めて費用対効果を見る
  • 工数を割ける体制があればダイレクト、専任者を置けない・急ぎなら人材紹介
  • 併用も有効。人材紹介の費用は分割払いで平準化できる。手法は組み合わせて使い分けるのが賢い

この記事について

PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、人材紹介の紹介料を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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