
新卒採用にかかる費用の相場
新卒採用は、中途採用とは費用の構造が大きく異なります。ナビサイトへの掲載、合同説明会、インターンシップ、内定者フォローなど、採用が決まる前後に多くの費用が発生します。この記事では、新卒採用にかかる費用の相場を項目ごとに整理し、コストを把握・最適化するための考え方を、採用担当者向けに解説します。
目次
新卒採用の費用は「1人あたり」で捉える
新卒採用にどれだけ費用がかかっているかを把握するには、総額だけでなく「1人あたりいくらかかったか」という視点が欠かせません。この、採用1人あたりにかかった費用を採用単価と呼びます。総額が大きくても、多くの人を採用できていれば単価は下がりますし、逆に少人数しか採れなければ単価は跳ね上がります。
新卒採用は、中途採用と違い、年間のスケジュールに沿ってまとまった人数を計画的に採用します。そのため、ナビサイトの掲載費やイベント出展費といった「採用人数にかかわらず先に発生する固定費」の比重が大きいのが特徴です。この固定費を、何人の採用で割るかによって、1人あたりの費用は大きく変わります。同じ掲載費でも、5人採用できれば1人あたりは5分の1で済みますが、1人しか採れなければ費用はまるごとその1人にかかります。まずはこの構造を理解することが、費用を正しく捉える出発点です。採用単価の詳しい計算方法は 採用単価(採用コスト)の計算方法と目安 で解説しています。
新卒採用の費用項目
新卒採用の費用は、大きく「外部に支払う費用(外部コスト)」と「社内で発生する費用(内部コスト)」に分けられます。まず外部コストの主な項目を見てみましょう。
- ナビサイト掲載費:就職情報サイトへの掲載料。新卒採用の中心的な費用
- 新卒紹介(人材紹介):紹介会社経由で採用した場合の成功報酬
- 合同説明会・イベント出展費:合同企業説明会などへの出展料
- インターンシップ費用:企画・運営・参加学生への報酬など
- 会社説明会・採用サイト制作費:自社説明会の運営、採用ページの制作
- 採用ツール・適性検査:応募者管理システムや適性検査の利用料
- 内定者フォロー費:懇親会、研修、資料送付などの費用
これらに加えて、採用担当者の人件費という内部コストが大きくのしかかります。新卒採用は活動期間が長いため、担当者が費やす時間・労力も無視できないコストです。以降で、主要な項目の相場を見ていきます。
ナビサイト掲載費の相場
新卒採用でもっとも一般的なのが、就職情報サイト(ナビサイト)への掲載です。多くの学生が利用するため、母集団を形成する中心的なチャネルになっています。掲載費は、掲載する情報量、掲載位置、期間、オプションによって幅があります。
一般的には、数十万円から、上位プランや大手ナビでは百万円を超えるケースもあります。掲載位置が上位になるほど、また掲載できる情報量が多いプランほど費用は高くなります。ナビサイトは「掲載すれば応募が集まる」というものではなく、掲載内容の作り込みや、掲載後のスカウト機能の活用によって成果が大きく変わります。掲載費という固定費をかける以上、それを何人の採用につなげられるかが、費用対効果を左右します。掲載しただけで放置せず、積極的に活用することが重要です。
また、ナビサイトは掲載する時期によっても効果が変わります。多くの企業が一斉に採用活動を始める時期は、学生の動きも活発になる一方、掲載企業も増えて競争が激しくなります。自社の採用計画に合わせて、いつ、どのプランで掲載するかを見極めることが、限られた掲載費を有効に使うポイントです。掲載後は、原稿の反応を見ながら、写真やキャッチコピー、掲載する情報を随時見直していくことで、同じ掲載費でもより多くの応募を集められるようになります。掲載は「出したら終わり」ではなく、継続的に改善していく対象だと捉えることが大切です。
新卒紹介(人材紹介)の相場
近年、新卒採用でも人材紹介(新卒紹介・新卒エージェント)の活用が広がっています。紹介会社が、自社に合いそうな学生を紹介してくれるサービスで、採用が決まったときにだけ費用が発生する成功報酬型が中心です。
新卒紹介の費用は、1人あたり数十万円から、100万円前後が一つの目安です。中途採用の紹介料(想定年収の30〜35%)とは異なり、新卒の場合は定額で設定されていることが多くなっています。ナビサイト掲載のように先に固定費がかからず、採用が決まったときにだけ支払うため、少人数採用や、ナビでは出会えない層にアプローチしたい場合に向いています。母集団形成に苦戦している企業や、特定の専攻・スキルを持つ学生を採りたい企業にとって、有力な選択肢です。人材紹介の料金の仕組みは 人材紹介の紹介料の相場と計算方法 もあわせてご覧ください。
合同説明会・イベント費用
合同企業説明会(合同説明会)は、多くの学生と一度に接点を持てるイベントです。出展料は、規模や来場者数、ブースの位置によって幅がありますが、1回あたり数十万円が一つの目安です。大規模なイベントや好立地のブースは、費用も高くなります。
合同説明会は、多くの学生に自社を知ってもらえる一方で、出展料に加えて、当日の運営スタッフの人件費、資料・ノベルティの制作費などもかかります。出展して終わりではなく、その場で得た接点を、いかに自社の説明会や選考へとつなげるかが重要です。近年はオンラインの合同説明会も増えており、遠方の学生にもリーチしやすくなっています。出展にかかる費用に対して、何人の学生と有効な接点を持てたかを振り返ることが、次回以降の判断につながります。
インターンシップの費用
インターンシップは、学生に自社の仕事を体験してもらい、相互理解を深める機会です。早期から優秀な学生と接点を持てるため、多くの企業が力を入れています。費用としては、企画・運営にかかる社内工数、会場費、参加学生への報酬や交通費、使用する教材やツールの費用などが発生します。
インターンシップは、直接の採用につながるだけでなく、参加した学生の口コミや、企業理解の深まりを通じて、採用全体に良い影響をもたらします。一方で、企画・運営には相応の手間とコストがかかるため、「何のために実施するのか」という目的を明確にすることが大切です。単なる会社紹介で終わらせず、学生にとって学びのある内容にすることで、参加学生の志望度が高まり、結果的に採用の質と効率が向上します。
社内で発生する見えないコスト
新卒採用の費用を考えるとき、見落とされがちなのが社内で発生する内部コストです。もっとも大きいのが、採用担当者の人件費です。新卒採用は、前年の夏頃から翌年の入社まで、1年以上にわたる長い活動です。その間、担当者は説明会の運営、書類選考、面接の日程調整、内定者フォローなど、多くの業務に時間を費やします。
この担当者の人件費は、外部への支払いのように請求書が来るわけではないため、コストとして意識されにくいものです。しかし、担当者が採用活動に費やす時間は、本来ほかの業務に使えたはずの時間でもあります。面接に関わる現場社員の時間も同様です。新卒採用の本当のコストを把握するには、こうした社内の人件費まで含めて考えることが重要です。見えないコストまで捉えることで、採用活動のどこに無駄があるか、どこを効率化すべきかが見えてきます。
内部コストを抑えるうえで効果的なのが、採用活動の一部を効率化・仕組み化することです。たとえば、応募者管理システムを使って日程調整や選考の進捗管理を自動化すれば、担当者の手間を大きく減らせます。また、よくある質問への回答をあらかじめ用意しておく、説明会の内容を動画化して繰り返し使えるようにするなど、一度作れば何度も使える仕組みを整えることで、担当者はより重要な業務に集中できます。人手のかかる作業を減らすことは、見えない内部コストの削減に直結します。
新卒採用単価の目安
ここまでの費用を合計し、採用人数で割ったものが新卒の採用単価です。企業の規模や採用手法、採用人数によって大きく変わりますが、外部コストだけでも1人あたり数十万円から百万円前後になることが多く、内部コストまで含めればさらに大きくなります。
採用単価は、単に「安ければよい」というものではありません。安く採用できても、早期に離職してしまえば、その採用にかけた費用は無駄になります。逆に、単価が高めでも、長く活躍してくれる人材を採用できれば、その投資は十分に回収できます。大切なのは、自社の採用単価を正しく把握したうえで、その費用が、採用した人材がもたらす価値に見合っているかを判断することです。数字を把握してはじめて、改善の方向が見えてきます。採用予算全体の立て方は 採用予算の立て方と考え方 を参考にしてください。
費用を抑えるポイント
新卒採用の費用を抑えるには、やみくもに削るのではなく、費用対効果の観点から見直すことが重要です。
- チャネルごとの成果を把握する:どのチャネルから何人採用できたかを記録し、効率の良いチャネルに投資を寄せる
- ミスマッチを減らす:入社後の早期離職を防ぐことが、結果的に採用単価を下げる
- 自社の魅力を磨く:採用サイトや説明会の質を高め、学生の志望度を上げる
- 内定者フォローを丁寧に:内定辞退を減らせば、追加募集の費用を抑えられる
とくに重要なのが、内定辞退を防ぐことです。せっかくコストをかけて内定を出しても、辞退されてしまえば、その分の費用は成果につながりません。内定者への丁寧なフォローは、追加の採用活動を減らし、結果的に費用を抑えることにつながります。費用の削減は、削ることではなく、無駄を減らすことだと捉えるのが正しい考え方です。
もう一つ、費用を抑えるうえで見逃せないのが、自社の採用サイトや説明会といった「自前のチャネル」を充実させることです。ナビサイトや紹介会社といった外部のチャネルは、使うたびに費用がかかります。一方、自社の採用サイトや、自社主催の説明会は、一度整えれば継続的に、追加費用をあまりかけずに学生と接点を持てます。自社の魅力を自らの言葉で伝えられる場を育てておくことは、長期的に見て採用コストを下げる有効な投資になります。外部への依存を減らし、自前のチャネルを強くしていく視点が大切です。
採用費の「先払い負担」を平準化する
新卒採用の費用は、ナビサイト掲載費やイベント出展費など、採用が決まる前にまとまって発生する「先払い」の性質が強いのが特徴です。つまり、成果(採用)が出る前に、大きな費用を負担しなければなりません。とくに、掲載費が数十万〜百万円単位でかかるため、採用活動の初期にキャッシュフローの負担が集中しがちです。
この先払いの負担を、月々の分割払いにして平準化できれば、資金繰りは大きく楽になります。まとまった採用費用を一度に支払うのではなく、月々に分けて支払えるようにすることで、手元資金を圧迫せずに採用活動を進められます。採用の成果が出るタイミングと、支払いのタイミングのズレをならすことで、無理なく計画的に採用を進められるようになります。詳しくは 採用の紹介料・費用を分割払いにする方法 をご覧ください。
採用企業
月 8.4万円〜
支払総額
100万円
※採用費用100万円・12ヶ月分割の場合の目安。
先払いの採用費を、月々の負担に平準化するなら
PD for HR は、ナビ掲載費や紹介料などの採用費用を、最大12ヶ月の分割払いにできるサービスです。採用の成果が出る前の大きな出費を、月々の無理のない負担にならせます。
PD for HR に相談するよくある質問
新卒採用は中途採用と何が違いますか?
新卒採用は年間スケジュールに沿ってまとまった人数を計画的に採用するため、ナビ掲載費やイベント出展費といった「採用人数にかかわらず先に発生する固定費」の比重が大きいのが特徴です。この固定費を何人の採用で割るかで、1人あたりの費用が変わります。
ナビサイトと新卒紹介はどちらがよいですか?
母集団を広く形成したいならナビサイト、少人数や特定層を狙うなら新卒紹介が向いています。ナビは先に固定費がかかり、紹介は採用が決まったときだけ費用が発生します。両方を組み合わせる企業も多くあります。
新卒採用の1人あたり費用の目安は?
外部コストだけでも1人あたり数十万円から百万円前後になることが多く、採用担当者の人件費などの内部コストを含めればさらに大きくなります。採用人数や手法によって大きく変わるため、自社の数字を把握することが大切です。
費用を抑えるには何が効果的ですか?
チャネルごとの成果を把握して効率の良いチャネルに投資を寄せること、そして内定辞退や早期離職といったミスマッチを減らすことが効果的です。せっかくの内定を辞退されると追加募集の費用がかかるため、内定者フォローも重要です。
採用費の支払いが活動初期に集中して負担です。
ナビ掲載費などは採用が決まる前に先払いで発生するため、初期に負担が集中しがちです。こうした費用を分割払いにすれば、月々の負担に平準化でき、手元資金を圧迫せずに採用活動を進められます。
まとめ
- 新卒採用は固定費(掲載費・出展費)の比重が大きい。1人あたりの単価で捉える
- 費用項目はナビ掲載・新卒紹介・イベント・インターン・内定者フォローと多岐にわたる
- 採用担当者の人件費という見えない内部コストも忘れずに含める
- 先払いの負担が大きい採用費は、分割払いで平準化すると資金繰りが楽になる
この記事について
PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、採用の紹介料・費用を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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