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リファラル採用の始め方と費用のイメージ
採用コスト

リファラル採用の始め方と費用

公開日 2026年7月27日 カテゴリ 採用企業向け 約15分で読めます

リファラル採用は、自社の社員に知人・友人を紹介してもらう採用手法です。採用コストを大きく抑えられ、ミスマッチも起きにくいため、多くの企業が取り入れています。一方で、社員の協力が前提となるため、仕組みづくりが成否を分けます。この記事では、リファラル採用の費用、メリット、始め方、そして成功させるポイントを、採用担当者向けに解説します。

目次
  1. リファラル採用とは
  2. リファラル採用の費用
  3. メリット
  4. 注意点・デメリット
  5. 始め方の手順
  6. インセンティブ設計
  7. 社員が紹介したくなる環境づくり
  8. 運用を続けるコツ
  9. 他の手法との組み合わせ
  10. 他チャネルの費用は分割で平準化する
  11. よくある質問
  12. まとめ

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社の社員に、知人・友人・元同僚などを紹介してもらい、採用につなげる手法です。「リファラル(referral)」は「紹介」を意味します。社員が「この会社に合いそうだ」と思う人を推薦してくれるため、企業の文化や仕事内容を理解したうえでの紹介になり、ミスマッチが起きにくいのが特徴です。単なる縁故採用とは異なり、通常の選考を経たうえで、社員の人脈を採用のきっかけとして活かす、という点がポイントです。

従来の採用は、求人広告や人材紹介など、外部のサービスを使って候補者を集めるのが中心でした。これに対しリファラル採用は、社員という社内のネットワークを活用します。外部に頼らず、信頼できる社員の人脈から人を採用できるため、コストと質の両面で優れた手法として注目されています。欧米では以前から一般的な採用手法で、日本でも導入する企業が増えています。中途採用全体の手法比較は 中途採用の費用相場と内訳 もあわせてご覧ください。

リファラル採用が広がっている背景には、採用市場の変化もあります。多くの企業が人材の確保に苦戦するなか、求人広告や人材紹介といった従来の手法だけでは、必要な人材を集めきれなくなっています。とくに、専門性の高い職種や、慢性的に人手が足りない職種では、外部のチャネルだけに頼るのは限界があります。そこで、社員一人ひとりの人脈という、これまで十分に活用されてこなかった資産に、あらためて注目が集まっているのです。自社を最もよく知る社員の力を借りることは、採用難の時代における現実的な打ち手といえます。

リファラル採用の費用

リファラル採用の最大の魅力は、費用を大きく抑えられることです。かかる費用は、主に紹介してくれた社員に支払うインセンティブ(報奨金)です。この金額は企業によって幅がありますが、人材紹介の紹介料(想定年収の30〜35%)と比べれば、はるかに低額です。

たとえば、人材紹介で年収500万円の人を採用すると紹介料は150万円以上かかりますが、リファラル採用の報奨金は、それよりずっと少ない金額で設定されるのが一般的です。求人広告のような掲載費もかからず、採用が成立したときにだけ報奨金が発生するため、コスト効率は非常に高くなります。採用が決まらなければ費用は発生しないため、無駄なコストが生じにくいのも利点です。採用単価を下げたい企業にとって、リファラル採用は有力な選択肢です。ただし、報奨金の額や支払い条件は、あらかじめ制度として明確に定めておくことが大切です。

メリット

リファラル採用には、コスト以外にも多くのメリットがあります。

  • 採用コストが低い:報奨金のみで、紹介料や掲載費がかからない
  • ミスマッチが起きにくい:社員が自社を理解したうえで紹介するため
  • 定着率が高い:入社前から社内に知り合いがいて、なじみやすい
  • 転職市場にいない人に出会える:積極的に転職活動していない優秀な層にも届く

とくに大きいのが、転職市場に表れていない層にアプローチできる点です。求人広告や人材紹介で出会えるのは、転職を意識して行動している人だけです。しかしリファラル採用なら、いまの仕事に満足していて転職サイトを見ていないような優秀な人にも、社員を通じて声をかけられます。こうした層は、通常の採用活動では出会えない貴重な人材です。この点が、リファラル採用ならではの強みです。

さらに、採用のミスマッチが減ることは、目に見えるコスト以上の価値をもたらします。採用のミスマッチによる早期離職は、採用にかけた費用を無駄にするだけでなく、受け入れにかけた教育の手間や、周囲の社員の負担、そして再び採用活動をやり直す労力まで生みます。リファラル採用は、社員が自社を理解したうえで、合いそうな人を選んで紹介するため、こうしたミスマッチのリスクを大きく下げられます。定着率の高さは、長い目で見れば、採用コストの削減以上に大きな効果をもたらすのです。人が定着し、育っていく組織は、それ自体が強い競争力になります。

注意点・デメリット

メリットの多いリファラル採用ですが、いくつか注意すべき点もあります。まず、社員の協力が前提となるため、安定的に人数を確保するのが難しいという面があります。社員が紹介してくれなければ成り立たないため、求人広告のように「出せば応募が来る」というものではありません。

また、紹介した社員と、紹介された人との人間関係にも配慮が必要です。もし紹介で入社した人が早期に退職した場合や、選考で不採用になった場合、紹介した社員が気まずい思いをすることもあります。こうした事態を避けるため、選考の基準を明確にし、紹介はあくまで通常の選考を経ることを、社員にきちんと伝えておくことが大切です。さらに、社内の人脈だけに頼ると、似たタイプの人材ばかりが集まり、組織の多様性が損なわれるリスクもあります。ほかの採用手法と組み合わせ、バランスを取ることが重要です。

始め方の手順

リファラル採用を始めるには、次のような手順で進めます。

  • 1. 制度を設計する:報奨金の額、支払い条件、対象となるポジションを決める
  • 2. 社員に周知する:制度の内容と、協力してほしいことを丁寧に伝える
  • 3. 紹介しやすい仕組みを用意する:紹介の窓口や、簡単に紹介できる方法を整える
  • 4. 求める人材像を共有する:どんな人を採用したいかを社員に明確に伝える
  • 5. 運用しながら改善する:紹介の状況を見ながら、制度を見直していく

とくに重要なのが、求める人材像を社員に明確に伝えることです。社員は、会社がどんな人を求めているかが分からなければ、誰を紹介すればよいか判断できません。「こういうスキルや経験を持つ人」「こんなポジションを募集している」といった情報を具体的に共有することで、社員は紹介しやすくなり、質の高い紹介が集まります。制度を作るだけでなく、社員が動きやすい環境を整えることが大切です。

また、紹介のハードルを下げる工夫も効果的です。「知人を採用に応募させる」となると、社員も相手も身構えてしまいます。そこで、いきなり選考に進むのではなく、まずは食事をしながら会社の話を聞いてもらう、担当者と気軽に面談してもらう、といった緩やかな入口を用意すると、社員は声をかけやすくなります。紹介された側も、選考というより「話を聞いてみる」という感覚で参加できるため、心理的な負担が小さくなります。制度としての報奨金だけでなく、こうした運用面での配慮が、リファラルを活性化させます。

インセンティブ設計

リファラル採用の要となるのが、インセンティブ(報奨金)の設計です。報奨金は、社員が紹介に協力する動機づけになりますが、金額の設定には工夫が必要です。高すぎると、報奨金目当ての安易な紹介が増えるおそれがあり、低すぎると、社員が協力する気になりません。自社にとって適切な水準を見極めることが大切です。

また、報奨金をいつ支払うかも重要な論点です。入社時に一括で支払う方法もあれば、入社後一定期間の勤務を条件に支払う方法もあります。早期退職を防ぐ観点からは、入社後しばらく在籍したことを条件にするのも一つの考え方です。金額の多寡だけでなく、支払いの条件やタイミングも含めて、自社に合った制度を設計しましょう。なお、報奨金は給与とは異なる扱いになる場合があるため、税務上の取り扱いは専門家に確認しておくと安心です。

社員が紹介したくなる環境づくり

リファラル採用を成功させる上で、報奨金よりも根本的に重要なのが、「社員が自社を、人に勧めたくなる会社であること」です。どれだけ報奨金を用意しても、社員が自分の会社に不満を持っていれば、大切な友人を紹介しようとは思いません。逆に、社員が働きがいを感じ、会社に誇りを持っていれば、報奨金がなくても「うちに来ないか」と自然に声をかけたくなります。

つまり、リファラル採用がうまくいくかどうかは、日頃の職場環境や、社員の満足度と深く結びついています。働きやすい環境づくり、公正な評価、社員が納得できる待遇——こうした地道な取り組みが、結果的にリファラル採用の土台になります。制度を整えることと並行して、社員が「この会社を人に勧めたい」と思える組織をつくることが、最も本質的な成功要因だといえます。

運用を続けるコツ

リファラル採用は、制度を作って終わりではなく、継続的に運用してこそ効果を発揮します。運用を続けるには、社員に定期的に「いま、こんな人を募集している」と発信し続けることが大切です。一度周知しただけでは、社員の記憶から薄れてしまいます。折に触れて募集状況を共有することで、社員は「そういえば、あの人が合いそうだ」と思い出してくれます。

また、紹介してくれた社員には、その後の選考の状況を丁寧にフィードバックすることも重要です。紹介したきり何の連絡もないと、社員は協力する意欲を失ってしまいます。紹介への感謝を伝え、選考の経過を共有することで、社員は次も協力しようと思ってくれます。リファラル採用は、社員との信頼関係のうえに成り立つ手法です。協力してくれる社員を大切にする姿勢が、長く続けるコツです。

他の手法との組み合わせ

リファラル採用は優れた手法ですが、これ一つですべての採用をまかなうのは現実的ではありません。社員の人脈には限りがあり、必要なタイミングで必要な人数を確保できるとは限らないためです。そこで、求人広告や人材紹介といった他の手法と組み合わせて活用するのが、実務的なアプローチです。

たとえば、急ぎで確実に採用したいポジションは人材紹介、複数名を募集するなら求人広告、時間をかけて良い人を探せるならリファラル、というように使い分けます。リファラル採用は、コストが低く質が高い一方、スピードや人数の面では他の手法に頼る必要があります。それぞれの手法の長所を活かし、短所を補い合う形で組み合わせることで、採用全体の費用対効果を高められます。攻めの採用については 人材紹介とダイレクトリクルーティングの違い もご覧ください。

他チャネルの費用は分割で平準化する

リファラル採用でコストを抑えつつ、それだけでは足りない分を、求人広告や人材紹介で補う——これが現実的な採用戦略です。ただし、求人広告や人材紹介には、まとまった費用がかかります。とくに人材紹介は、採用が決まったタイミングで数十万〜数百万円の紹介料が一度に発生し、資金繰りの負担になりがちです。

こうした他チャネルのまとまった費用を、月々の分割払いにして平準化できれば、採用にかかる資金の負担をならすことができます。リファラルで基礎的な採用コストを抑えつつ、必要に応じて使う有料チャネルの費用を分割払いにすることで、手元資金を厚く保ちながら、計画的に採用を進められます。詳しくは 採用の紹介料・費用を分割払いにする方法 をご覧ください。

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よくある質問

リファラル採用の費用はどのくらいですか?

主にかかるのは、紹介してくれた社員へのインセンティブ(報奨金)です。金額は企業によって幅がありますが、人材紹介の紹介料(想定年収の30〜35%)と比べればはるかに低額で、掲載費もかからないため、コスト効率は非常に高くなります。

なぜミスマッチが起きにくいのですか?

社員が自社の文化や仕事内容を理解したうえで、合いそうな人を紹介するためです。紹介された人も、社員から社内の実情を聞いたうえで応募するため、入社後のギャップが小さく、定着率も高くなる傾向があります。

リファラル採用の注意点は何ですか?

社員の協力が前提のため安定的に人数を確保しにくいこと、紹介者と紹介された人の人間関係への配慮が必要なこと、社内人脈に頼ると多様性が損なわれるリスクがあることです。選考基準を明確にし、他の手法と組み合わせることが大切です。

成功させる最大のポイントは?

社員が「自社を人に勧めたい」と思える職場であることです。どれだけ報奨金を用意しても、社員が会社に不満を持っていれば大切な友人を紹介しません。働きやすい環境づくりや公正な評価が、リファラル採用の本質的な土台になります。

リファラルだけで採用をまかなえますか?

社員の人脈には限りがあるため、リファラルだけで必要な人数を確保するのは現実的ではありません。求人広告や人材紹介と組み合わせ、それぞれの長所を活かすのが実務的です。有料チャネルの費用は分割払いで平準化する方法もあります。

まとめ

  • リファラル採用は報奨金のみで、採用コストを大きく抑えられる手法
  • ミスマッチが起きにくく、転職市場にいない優秀な層にも出会える
  • 成功の鍵は制度だけでなく、社員が自社を勧めたくなる環境づくり
  • 他チャネルと組み合わせ、その費用は分割払いで平準化すると資金繰りが安定する

この記事について

PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、採用の紹介料・費用を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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