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派遣と正社員採用のコスト比較のイメージ
採用コスト

派遣と正社員採用のコスト比較

公開日 2026年7月28日 カテゴリ 採用企業向け 約15分で読めます

人手が必要になったとき、「派遣で対応するか、正社員を採用するか」は多くの企業が悩む判断です。それぞれコストの構造が大きく異なり、どちらが得かは状況によって変わります。この記事では、派遣と正社員採用のコストを構造から比較し、どう使い分けるべきかの考え方を、採用担当者向けに解説します。

目次
  1. 派遣と正社員の違い
  2. 派遣のコスト構造
  3. 正社員採用のコスト構造
  4. コストを比較する視点
  5. 派遣が向いているケース
  6. 正社員採用が向いているケース
  7. 見落としがちなコスト
  8. 使い分けの考え方
  9. 正社員採用の費用は分割で平準化する
  10. よくある質問
  11. まとめ

派遣と正社員の違い

派遣と正社員では、雇用の形がそもそも異なります。正社員は、自社が直接雇用し、長期的に自社の一員として働いてもらう形です。一方、派遣は、派遣会社が雇用する人材を、自社が一定期間受け入れて働いてもらう形です。指揮命令は自社が行いますが、雇用主はあくまで派遣会社です。

この違いが、コストの構造にも大きく影響します。正社員は、採用するまでに費用がかかり、採用後は給与や社会保険などの人件費が継続的に発生します。派遣は、採用の費用はかからない代わりに、働いてもらう期間に応じて派遣料金を支払い続けます。同じ「人手を確保する」ことでも、費用の発生のしかたがまったく異なるのです。どちらが得かは、必要な期間や業務の性質によって変わります。まずは、それぞれのコスト構造を詳しく見ていきましょう。採用単価の考え方は 採用単価(採用コスト)の計算方法と目安 をご覧ください。

派遣のコスト構造

派遣を利用する場合のコストは、主に派遣会社に支払う派遣料金です。派遣料金には、派遣スタッフの給与に加えて、派遣会社の社会保険料負担や、マージン(手数料)が含まれています。時給または日額で設定され、働いてもらった時間・日数に応じて支払います。

派遣の大きな特徴は、採用にかかる初期費用がほとんどかからないことです。求人広告費や人材紹介料といった採用コストが発生せず、必要なときに、必要な期間だけ人材を確保できます。また、社会保険の手続きや給与計算といった労務管理も派遣会社が担うため、その分の社内工数も抑えられます。一方で、派遣料金は正社員の給与よりも時間あたりの単価が高くなる傾向があり、長期間になるほど、トータルのコストは大きくなっていきます。

派遣料金にマージンが含まれているのは、派遣会社が、スタッフの募集・雇用・教育、社会保険の負担、労務管理といった役割を担っているためです。企業から見れば、これらの手間を自社で抱えずに済むぶんの対価を、派遣料金として支払っているとも言えます。つまり、派遣料金の単価が高めなのは、単に割高というわけではなく、採用や労務にかかる手間とリスクを外部に委ねていることの裏返しです。この点を理解しておくと、派遣と正社員のコストを、表面的な金額だけでなく、手間やリスクまで含めて比較できるようになります。

正社員採用のコスト構造

正社員を採用する場合のコストは、大きく「採用時にかかる費用」と「採用後にかかる費用」に分かれます。採用時には、求人広告費や人材紹介料といった採用コストが発生します。人材紹介を使えば、想定年収の30〜35%の紹介料がかかることもあります。

採用後は、給与や賞与に加えて、社会保険料の会社負担、福利厚生費、教育・研修費などの人件費が継続的に発生します。正社員は長期的に雇用するため、これらの費用が積み重なっていきます。ただし、時間あたりの単価で見れば、派遣料金よりも正社員の人件費のほうが低くなるのが一般的です。つまり、初期に採用費がかかるものの、長く働いてもらうほど、1時間あたりのコストは派遣より有利になっていきます。中途採用の費用構造は 中途採用の費用相場と内訳 で詳しく解説しています。

コストを比較する視点

派遣と正社員のコストを比較するときに重要なのが、「期間」という視点です。短期間だけ人材が必要なら、採用費のかからない派遣が有利です。しかし、長期間にわたって人材が必要なら、時間あたりの単価が低い正社員のほうが、トータルでは安くなります。

イメージとしては、派遣は「初期費用ゼロだが、時間あたりの単価が高い」、正社員は「初期費用がかかるが、時間あたりの単価が低い」という関係です。そのため、短期では派遣が、長期では正社員が有利になる分岐点があります。この分岐点は、採用費や給与水準によって変わりますが、必要な期間を見積もったうえで、どちらがトータルで安くなるかを考えることが、合理的な判断につながります。目先の費用だけでなく、必要な期間全体でのコストを見ることが大切です。

ただし、コストの比較は、必ずしも金額だけで割り切れるものではありません。たとえば、正社員として採用すれば、その人が長く働くなかで成長し、当初は期待していなかった役割まで担ってくれることもあります。こうした将来の可能性は、時間単価の計算だけでは測れない価値です。逆に、派遣には「必要なときだけ、必要な人数を確保できる」という、金額に表れにくい柔軟性の価値があります。コストを比較する際は、単純な費用の大小だけでなく、それぞれがもたらす価値の質の違いも意識して判断することが大切です。数字はあくまで判断材料の一つとして捉えましょう。

派遣が向いているケース

派遣が向いているのは、次のようなケースです。

  • 期間が限られている業務:繁忙期対応や、プロジェクト単位の業務など
  • 急な欠員を埋めたい:採用を待つ余裕がなく、すぐに人手が必要な場合
  • 業務量が変動する:必要な人数が時期によって大きく変わる場合
  • 専門スキルを一時的に借りたい:特定のスキルを、限られた期間だけ必要とする場合

派遣の強みは、柔軟性とスピードです。必要なときに素早く人材を確保でき、不要になれば契約を終えられます。業務量の変動が大きい場合や、いつまで人材が必要か読めない場合には、正社員を採用するより、派遣で柔軟に対応するほうがリスクを抑えられます。人材の需給を、事業の状況に合わせて調整したい場面で、派遣は力を発揮します。正社員を採用すると、業務が減っても簡単には人員を減らせませんが、派遣なら事業の状況に応じて機動的に調整できるのも、経営上の安心材料です。

正社員採用が向いているケース

一方、正社員採用が向いているのは、次のようなケースです。

  • 長期的に必要な業務:継続的に発生し、今後も必要な業務
  • ノウハウを社内に蓄積したい:経験や知識を自社に残していきたい場合
  • 責任ある役割を任せたい:自社の一員として、重要な業務を担ってほしい場合
  • 組織の核となる人材:会社の文化を担い、長く貢献してほしい人材

正社員の強みは、長期的な貢献と、ノウハウの蓄積です。自社の一員として長く働いてもらうことで、業務の経験や知識が社内に積み上がっていきます。派遣は契約が終われば人材とともにノウハウも去ってしまいますが、正社員なら、その人が培った経験は会社の資産として残ります。事業の根幹を担う業務や、継続的に必要な業務は、正社員を採用して自社で育てるほうが、長期的な価値につながります。

また、正社員には、業務の範囲を柔軟に広げてもらえるという利点もあります。派遣スタッフには、契約で定められた業務を担ってもらうのが基本ですが、正社員なら、状況に応じてさまざまな役割を任せられます。自社の一員として、会社の目標に向かって主体的に動いてもらえることは、金額には表れにくい大きな価値です。とくに、変化の多い環境で、その都度求められる役割が変わるような業務では、柔軟に対応してくれる正社員の存在が力になります。長期的に会社を支える中核人材は、こうした正社員としての採用がふさわしいといえます。

見落としがちなコスト

派遣と正社員のコストを比較するとき、見落としがちなポイントがあります。正社員採用では、採用費や給与といった目に見える費用のほかに、採用担当者の工数、教育・研修にかかる時間、そして早期離職が起きた場合の損失など、見えにくいコストがあります。とくに、採用した人がすぐに辞めてしまえば、採用費も教育コストも無駄になります。

一方、派遣にも見えにくいコストがあります。派遣スタッフが定期的に入れ替わると、そのたびに業務の引き継ぎや教育が必要になり、社内の負担が生じます。また、派遣期間には法律上の制限があるため、長期の業務を派遣だけでまかなおうとすると、制度面での対応も必要になります。目先の派遣料金や採用費だけでなく、こうした見えにくいコストまで含めて考えることが、正しい比較には欠かせません。

とくに、業務の引き継ぎにかかる負担は見落とされがちです。人が入れ替わるたびに、一から仕事を教え、慣れてもらうまでの時間が必要になります。せっかく仕事に習熟した頃に契約が終わり、また新しい人に教え直す、ということが繰り返されると、その手間は決して小さくありません。継続的な業務であればあるほど、この入れ替わりのコストは積み重なります。こうした点も踏まえると、長期的に必要な業務は、やはり正社員として採用し、腰を据えて働いてもらうほうが、結果的に効率的だと判断できる場合が多いのです。

使い分けの考え方

派遣と正社員は、どちらが優れているというものではなく、状況に応じて使い分けるものです。基本的な考え方は、「長期的・継続的に必要な業務は正社員、短期的・変動する業務は派遣」です。事業の核となる業務は正社員で固め、変動する部分や一時的なニーズは派遣で柔軟に対応する、という組み合わせが、多くの企業にとって現実的です。

大切なのは、その業務が「今後も継続的に必要か」「ノウハウを社内に残すべきか」を見極めることです。継続的に必要でノウハウも重要な業務なら、初期費用をかけてでも正社員を採用する価値があります。逆に、一時的で変動的な業務なら、派遣の柔軟性を活かすほうが合理的です。それぞれの特性を理解し、業務の性質に応じて最適な形を選ぶことが、人材コストの最適化につながります。

実務では、派遣から正社員への移行という選択肢もあります。まずは派遣として働いてもらい、その人の適性や、自社との相性を見極めたうえで、良ければ正社員として直接雇用に切り替える、という進め方です。これは、採用のミスマッチを防ぐ観点からも有効です。いきなり正社員として採用すると、合わなかった場合の損失が大きくなりますが、派遣を経て見極めれば、そのリスクを抑えられます。こうした柔軟な使い方も含めて、派遣と正社員を、対立するものではなく、組み合わせて活用できる選択肢として捉えることが、賢い人材確保につながります。自社の状況に合わせて、最適な形を柔軟に設計していきましょう。

正社員採用の費用は分割で平準化する

長期的に必要な業務のために正社員を採用すると決めた場合、採用時にまとまった費用が発生します。とくに人材紹介を使えば、採用が決まったタイミングで数十万〜数百万円の紹介料が一度に発生します。派遣なら初期費用がかからないぶん、正社員採用のこの初期負担が、判断をためらわせる要因になることもあります。

こうした正社員採用の費用を、月々の分割払いにして平準化できれば、初期負担を抑えながら、長期的に価値のある正社員採用に踏み出せます。採用した人材が事業に貢献し、その成果が返ってくるまでの間、大きな採用費を一括で負担するのは、資金繰りの面で楽ではありません。分割払いを活用すれば、手元資金を厚く保ちながら、必要な正社員採用を計画的に進められます。詳しくは 採用の紹介料・費用を分割払いにする方法 をご覧ください。

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よくある質問

派遣と正社員はどちらがコストが安いですか?

必要な期間によって変わります。短期間なら採用費のかからない派遣が有利ですが、長期間なら時間あたりの単価が低い正社員のほうがトータルで安くなります。必要な期間全体でのコストを見て判断することが大切です。

派遣が向いているのはどんな場合ですか?

期間が限られた業務、急な欠員の補充、業務量が変動する場合、専門スキルを一時的に借りたい場合などです。派遣は柔軟性とスピードが強みで、いつまで人材が必要か読めない場面でリスクを抑えられます。

正社員採用が向いているのはどんな場合ですか?

長期的・継続的に必要な業務、ノウハウを社内に蓄積したい場合、責任ある役割を任せたい場合などです。正社員なら経験や知識が会社の資産として残り、長期的な価値につながります。

見落としがちなコストはありますか?

正社員採用では、採用担当者の工数や教育コスト、早期離職の損失などが見えにくいコストです。派遣でも、スタッフの入れ替わりによる引き継ぎの負担や、派遣期間の制限への対応があります。目先の費用だけでなく、これらも含めて比較しましょう。

正社員採用の初期費用が負担です。

正社員採用は派遣と違い、採用時にまとまった費用がかかります。この費用を分割払いにすれば、月々の負担に平準化でき、採用した人材の成果が返ってくるまでの間も、手元資金を厚く保ちながら計画的に採用を進められます。

まとめ

  • 派遣は初期費用ゼロ・時間単価は高め、正社員は初期費用あり・時間単価は低め
  • 短期・変動する業務は派遣、長期・継続的な業務は正社員が基本
  • 採用担当の工数や早期離職など見えにくいコストまで含めて比較する
  • 正社員採用の初期費用は分割払いで平準化すると資金繰りが安定する

この記事について

PD for HR は、PROTOCOL, Inc. が運営する、採用の紹介料・費用を分割払いにできるサービスです。本記事は採用実務の一般的な情報を整理したもので、個別の会計・税務・契約の判断は、各サービスの規約および専門家にご確認ください。
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※本記事の金額は一般的な目安であり、実際の条件は個別のサービス・契約により異なります。掲載時点の情報にもとづいており、最新の内容は各サービスの公式情報をご確認ください。